『ととの魁』10周年記念事業 Private Brand日本酒『ととの魁』開発事業

「ととの魁PB日本酒開発事業」の概要

  1. 純米吟醸生原酒・一番槽・一番槽(いちばんぶね)『ととの魁』を会で企画し、会員酒造店、会員酒類販売店、あるいは会員デザイナー、会員包装資材店等の技術、能力を結集して製造販売する事業である。
  2. 狙いとした商品特徴。
    他に滅多に見られない高級差別化商品だが、価格は一般の市販のお酒ほどには高くなく、値頃感があること。
    その年の仕込み・醗酵完了が最も早い酒槽の原酒を原料とし、間髪を入れず調整、粗搾り、瓶詰めし、出来立ての新酒として、12月下旬より配達する。
    これがネーミングの一部にある〈一番槽〉の意味である。
  3. ターゲット:事業初年度は、会員及びその友人・知人・お得意先を主にしたが、事業の継続性・発展性を見ながら、事業2年度以降は、一般販売も考慮する事にした。
    但し、当事業においては、会員は同じ仲間というよりも最大のお客様という意識を持って、できる限りそのニーズに応え、利便性を提供することを事業眼目の一つとした。
  4. 当事業を立ち上げる最後の条件は「ととの魁」における当事業に関わる累積赤字を3年で解消できる可能性が大なることであった。
    その為に、企画の最終段階では、価格構成案及び予算案(損益分岐点を見極める為のシュミレーション)を綿密に検討し、自信を得るに及んで、平成9年度に当事業を立ち上げた。

当事業に着手した動機・理由

  1. 情報交換、親睦を主にした活動の中にあっても、何か実質的共同事業を手掛けたいという密やかな志が、会員の多くにあった。
  2. 酒造店、酒卸店、酒小売店を営む会員がいて、当会が、アウトソーシングながら、何かを製造販売する事業を手掛けるとすれば、日本酒が最適であった。
  3. 会員の得意能力を結集して、企画を立て物造りをするという充足感があると同時に、地元および会員の物・生産能力・販売能力の利用で、郷土愛が鼓舞される。
  4. 資金の持ち出し一方であるイベント的事業と違い、やりようにより中・長期的に黒字になり、企業人としての会員の充足感が生まれる可能性があり、延いては会への還元、会員への還元の可能性もある。
  5. 当初は積極的一般販売を考えず、会員の歳暮利用等にターゲットを絞り込めば、リスクは少ない。
  6. 一般販売日本酒にも多くの酒類があるが、それでもまだ、日本酒には、独自性を打ち出し差別化できる余地があり、地酒の特徴を出す余地がある。
  7. 事業初年度の企画途中で会員アンケートを取った所、イベント的事業には拒絶反応を示し易い状況下にあって、当事業に賛成の会員は、27人中25人であった。

当事業の意義

  1. 当会は、一地域の中小企業を主とした比較的会員数の多い部類の異業種交流グループであるので、全員は無理でもより多くの会員が共通認識を持つことができ、継続性があり、営利を伴う共同事業が、当会に最もふさわしい事業と言える。。
    実際、当事業には、全体の会員数から見れば極僅かと言えなくもないが、複数の会員の専門的な技術・能力が随所に活かされている、と言うよりも、当事業のほとんど全てが複数の会員の専門的な技術・能力だけで遂行されたと言ってもよい。。
    異業種交流の中で、こういう事業を捜し出すのは実は大変難しいことを、これまでの営利の見込みのないイベント的事業や営利を見込んでも単発で終わる事業を繰返して来た当会の歴史が示している。。
    その中で、ほとんど偶然に近い形で、当会にふさわしい当事業に巡り合え、しかも単発事業に終わることなく拡張の可能性を秘めながら進行中であることは、非常に幸いであり意義深いことだと考える。
  2. 当事業は、まだ微少だが複数の会員企業の収益に貢献しているので、当会の重要な目的の一つである互助事業にも該当し、その度合いはこれまで実施の事業の中で最高と言える。
  3. 津軽は独立心が強く助け合いの精神が薄い、又、地元産品愛好心の薄い地方と言うのが、当会の多くの会員の共通意識である。
    いろいろな名産品があるが、津軽は酒どころでもあると言えるのに、地酒愛好の風潮は感じられない。
    そのような中で、更なるPRが必要なことであるが、業として酒に関わりを持つ・持たないに拘らず津軽の人々に、もし、『ととの魁』のような酒造り、酒販売法があることを知らせることができ、それが一つの刺激剤になれば、非常に幸いであり意義深いことだと考える。

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